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江南・ソウル
Delight Dermatology
ご来院ガイド· 2026-10-14 · 8 min read

韓国でほくろ除去の前に:取ってよいほくろと診察で確認すること

韓国でほくろ除去をご検討の方へ。レーザーで取れるほくろと切除・病理検査が必要なほくろの違い、メラノーマの注意サイン、再発や傷あと、テープの注意点を解説します。

発行 Delight Dermatology Clinic

写真に写るたびに気になる頬のほくろ、ネックレスに触れる首元のほくろ。ソウルでのご滞在中に数日の余裕があり、韓国の皮膚科ではレーザーでほくろを取れると聞けば、「いつ予約できるか」が気にかかるのももっともです。

ただ、最初に確かめていただきたいのは「このほくろをレーザーで取ってよいか」という点です。注意すべきサインがあるほくろは、皮膚科医の診察が必要です。診察の結果に応じて、美容目的の除去に先立ち、生検や切除が必要かを判断します。一方、診察で典型的なほくろと確認できた小さなものは、レーザーで除去することが多くあります。

本記事では、診察が先である理由、皮膚科医が確認する注意サイン、レーザーと切除の違い、そして再発・傷あと・テープとご旅程の考え方を順にご案内いたします。施術後のケアについてはほくろ除去後の注意事項にまとめておりますので、あわせてご覧ください。

予約の前に診察が必要な理由

一般的なほくろは、母斑細胞という細胞が集まってできた良性の腫瘍です。ただし、ほくろに見えるものの中には別の病変が含まれていることがあります。日本皮膚科学会も、自己判断せずに皮膚科専門医を受診し、本当にほくろかどうか診断を受けるよう呼びかけています(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」アザとホクロ Q10)。

レーザーでの除去を検討する場合も、まず診察が必要です。メスで切除したり薄く削り取ったりしたほくろは、専門の医師が顕微鏡で確認できます(米国皮膚科学会「ほくろの診断と治療」)。レーザー治療の前に、生検が必要かどうかを皮膚科医が判断します。スイス・チューリッヒ大学病院皮膚科のZipserら(2010, Eur J Dermatol, PMID: 20423817)は、色素性病変へのレーザー治療のあとでメラノーマと診断された患者12例を報告しました。そのうえで、色素性病変へのレーザー治療によってメラノーマの診断が遅れる可能性があると結論づけ、すべての色素性病変を拡大鏡で丁寧に観察し、代表的な部位を生検し、経過を注意深く追うことを勧めています。

この拡大鏡による検査がダーモスコピーです。ライトの付いた拡大鏡のような器具で、肉眼では見えない色素のパターンを痛みなく観察できます(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」メラノーマ Q5)。臨床現場での9件の研究をまとめたVestergaardら(2008, Br J Dermatol, PMID: 18616769)のメタ解析では、疑わしい病変のメラノーマ診断において、ダーモスコピーは肉眼での診察より正確でした。100件を超える研究を検討したDinnesら(2018, Cochrane Database Syst Rev, PMID: 30521682)のコクラン・レビューも同じ結論を示し、さらに、疑わしい病変のある成人では、ダーモスコピーを含む対面評価のほうが、ダーモスコピー画像による評価より正確であったと報告しています。ダーモスコピーで観察しても、確定診断のために生検が必要になる場合があります。以前のお写真があれば診察時にお持ちください。ただし、レーザーで取ってよいかどうかを写真だけで判断することはできません。

皮膚科医が確認する注意サイン

日本皮膚科学会は、ほくろやしみについて次の4点をセルフチェックの目安として挙げ、2つ以上当てはまる場合は皮膚科専門医の受診を勧めています。ただし、2つそろうまで待つ必要はありません。変化、出血、かゆみ、ほかのほくろとの違いがあれば、受診してください。頭皮や背中など、ご自身では見えにくい場所はご家族やご友人に見てもらうとよいとしています(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」メラノーマ Q3)。

  • 形が左右対称でない
  • 境界がギザギザしている
  • 色調が均一でなく、濃淡が混じっている
  • 直径が6mm以上ある

米国皮膚科学会はこれに「E(Evolving:変化)」を加えたABCDEを用い、ほかのほくろと違って見える、あるいは大きさ・形・色が変わってきている点を挙げています。また、メラノーマは通常6mmより大きいものの、診断時にはそれより小さいこともあると説明しています(米国皮膚科学会「メラノーマのABCDE」)。「変化」の項目はAbbasiら(2004, JAMA, PMID: 15585738)のレビューで提案されたもので、大きさ、形、かゆみや圧痛などの症状、表面(特に出血)、色合いの変化に注意するよう求めています。

もう一つの手がかりが「みにくいアヒルの子」サインです。ご自身のほかのほくろと比べて、一つだけ様子が違うほくろを指します。Gachonら(2005, Arch Dermatol, PMID: 15837860)は、皮膚科医135名が、のちに切除されたほくろとメラノーマ4,036件を見たときの第一印象を記録しました。両者の鑑別においては、ABCDの項目を一つずつ判定することよりも、全体的な見た目、みにくいアヒルの子サイン、最近の変化の有無が重視されていました。米国皮膚科学会も、ほかと違って見える、かゆい、出血する、変化しているほくろ、そして30歳以降に新しくできたほくろは、皮膚科医の診察を受けるよう勧めています(米国皮膚科学会「ほくろが問題になるとき」)。

日本の読者の皆様に特に知っていただきたい点もあります。日本皮膚科学会によると、日本人のメラノーマで最も多いのは、足の裏、手のひら、爪などに生じる末端黒子型で、全体の約40%を占めます(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」メラノーマ Q2)。ソウルの大学病院で診断された皮膚のメラノーマ47例を調べたJangら(2023, In Vivo, PMID: 36881068)の報告でも、最も多い病型は末端黒子型でした。足の裏や手のひらのほくろ、爪やその周囲の色素は、手軽に取る前にまず診察をお受けください。

注意サインは、それだけで診断を意味するものではなく、除去の前に専門医による確認が必要となる根拠です。

レーザーか切除か:方法の選び方

診察のあと、所見、ほくろの大きさと形、部位をふまえて方法を決めます。

診察後に選ぶ2つのほくろ除去方法
項目レーザー(蒸散型)手術による除去
主な対象診察で典型的なほくろと確認された小さなもの診察の結果、生検や切除が必要と判断された場合
病理検査治療前に生検が必要な場合あり取り除いた組織を顕微鏡で確認
残りうるあとレーザー除去後には傷あとや色素沈着が残ることがあり、状態には個人差あり傷あと。縫合した場合は縫い目に沿って残る
色が再び出てきたら再治療の前に診察。治療前に組織を採取していなければ、比較できる元の病理標本がない場合あり診察。最初の病理結果と比較できる

顔の小さなほくろには、蒸散型のレーザーがよく用いられます。東京の形成外科医であるOzakiら(2014, Aesthetic Plast Surg, PMID: 24682590)は、美容目的の顔のほくろ除去では炭酸ガス(CO2)レーザーが好まれると述べる一方、直径がおよそ5mmを超えると、レーザーで削った部分が目立つくぼみになりやすいため、手術を選ぶ医師が多いとしています。

韓国では、別のレーザーの組み合わせを評価した研究もあります。ソウルの皮膚科医であるLeeら(2015, Dermatol Surg, PMID: 25760556)は、韓国人の患者24名の小さなほくろ65個に、Er:YAGレーザーとロングパルス・アレキサンドライトレーザーを1か月間隔で用いました。最終治療から8週の時点で、治療したほくろのすべてにおいて目に見える色素の消失が確認されたと報告されています。色素沈着、赤み、盛り上がった傷あと、浅くくぼんだ傷あとが報告されました。6か月の時点では、盛り上がった傷あととくぼんだ傷あとが各1個残っており、それ以降の経過は報告されていません。2026年に発表されたLevoskaら(2026, Dermatol Surg, PMID: 42233715)のシステマティック・レビューは20件のレーザー研究を検討し、結果はレーザーの種類や組み合わせによって大きく異なっていました。

注意すべきサインがあるほくろは、皮膚科医の診察が必要です。診察の結果に応じて、美容目的の除去に先立ち、生検や切除が必要かを判断します。生検や切除で取り除いた組織は、病理医が顕微鏡で確認します(米国皮膚科学会)。日本皮膚科学会も、がんが心配な場合はレーザーよりも手術で完全に切除する方法を勧めています(日本皮膚科学会)。

再発と、記録が大切な理由

ほくろを取った部位に、色が再び出てくることがあります。上記のソウルの研究でも、6か月の間に小さな先天性のほくろ1つで色素が再び現れました。原因として、同じ部位で母斑細胞が再び増える「再発母斑」が考えられますが、診察で確認する必要があります。Foxら(2011, Arch Pathol Lab Med, PMID: 21732772)によると、再発母斑の多くは顕微鏡所見がはっきりしていて診断に迷いませんが、一部はメラノーマに似ていたり、区別できないほど似ていたりします。かつては「偽メラノーマ(pseudomelanoma)」と呼ばれましたが、混乱を招くため現在はあまり使われていません。

病理医にとって大きな手がかりとなるのは、それまでの経過です。Vilainら(2016, Pathology, PMID: 27020383)は、再発したほくろを診断する際には、可能な限り元の病変が良性であったことを確認するよう勧めています。顕微鏡所見だけではメラノーマと区別できない場合があるためです。レーザー治療前に組織を採取していなければ、比較できる元の病理標本がない場合があります。そのため、次の点をお勧めいたします。

  • どの部位のほくろを、いつ、どの方法で取ったかを記録し、病理検査を受けた場合はその結果も保管してください。
  • 色が再び出てきたら、再治療の前にまず診察をお受けください。米国皮膚科学会も、取ったほくろが再び出てきた場合はすぐに皮膚科を受診するよう勧めています。
  • 今後の皮膚の診察では、以前ほくろを取ったことを毎回お伝えください。

テープ、紫外線、ご旅程の組み立て方

当院では、レーザーで取った部位に保護テープを貼り、最低1週間は貼ったままにしていただくようご案内しています。Junkerら(2013, Adv Wound Care, PMID: 24587972)がまとめた知見によると、湿潤環境は傷の治癒を助ける可能性があります。保護材の種類と使用期間は、担当医の指示に従ってください。詳しくはほくろ除去後の注意事項をご覧ください。ご旅程を組む際のポイントは次のとおりです。

  • 日程の確認を先に。施術前に、ご帰国日、傷のケア、再診の必要性をご相談ください。
  • 水と熱にご注意ください。軽い洗顔やシャワーは可能ですが、テープが剥がれないようお気をつけください。テープを貼っている間は、サウナ、水泳、汗を多くかく運動はお控えください。ソウルのあとにビーチなどのご予定がある場合は、診察時にお知らせください。
  • テープを外したあとも紫外線対策を。テープを外したあとの赤いあとは、皮膚が再生している途中の状態です。外出時は日焼け止めを丁寧に塗ってください。再生までの期間はおよそ1〜3か月で、個人差があります。
  • 切除と病理検査をお勧めした場合は、抜糸の時期、結果が出る時期、ご帰国後に結果をどのように受け取るかを事前にご確認ください。

複数の施術をフライトに合わせて計画する方法は、ダウンタイムのガイドでもご紹介しています。

ご来院の際にお持ちいただきたい情報

  • ほくろがいつからあるか、最近変化したか、同じ部位を治療したことがあるか
  • 以前に撮った写真(お持ちであれば)。変化を知る参考にはなりますが、診察の代わりにはなりません。
  • ご旅程(ソウルのあとの水泳や、日差しの強い地域へのご旅行を含む)
  • ご質問:本当にほくろか、レーザーでよいか切除して検査すべきか、どのようなあとが残りうるか

どのほくろをどの方法で取るかは、ご予約のうえ、皮膚科医が直接診察して決定いたします。

よくあるご質問

写真だけで、レーザーで取れるほくろか判断できますか?

写真だけでの判断は難しいとお考えください。コクラン・レビューでは、疑わしい病変のある成人において、ダーモスコピーを含む対面評価のほうが、ダーモスコピー画像による評価より正確でした。ダーモスコピーで観察しても生検が必要になる場合があります。以前のお写真は変化を知る参考になりますので、診察時にお持ちください。取るかどうか、どの方法で取るかは対面の診察で決めます。

どのような場合に、レーザーではなく生検や切除が検討されますか?

形が左右非対称、境界がギザギザ、色にむらがある、直径6mm以上、変化している、ほかのほくろと様子が違う、といったサインがあるものや、足の裏・手のひら・爪の色素は、皮膚科医の診察が必要です。診察の結果に応じて、美容目的の除去に先立ち、生検や切除が必要かを判断します。生検や切除で取り除いた組織は顕微鏡で確認します。

レーザーで取ったほくろは再発しますか?

同じ部位に色が再び出てくることがあります。再発母斑の可能性がありますが、診察で確認する必要があります。再発母斑の多くは診断に迷いませんが、一部は顕微鏡でメラノーマに似て見えるため、元のほくろの記録が役立ちます。いつ、どの方法で取ったかを記録し、再治療の前にまず診察をお受けください。

傷あとは残りますか?

レーザー除去後には傷あとや色素沈着が残ることがあり、その状態には個人差があります。大きなほくろほど、レーザー後にくぼみが残りやすくなります。切除では傷あとが残り、縫合した場合は縫い目に沿って残ります。

ご旅程に合わせて、ほくろ除去をどう計画すればよいですか?

保護テープは最低1週間は貼ったままにしていただき、その間はサウナ、水泳、汗を多くかく運動をお控えください。施術前に、ご帰国日、傷のケア、再診の必要性をご相談ください。切除と病理検査をお勧めした場合は、抜糸の時期と、結果をいつどのように受け取るかを事前にご確認ください。

2026年10月14日時点で確認した一般的な情報であり、個別の診察に代わるものではありません。

編集ポリシー

ご案内: この記事の情報は一般的な教育目的であり、医学的助言に代わるものではありません。個別の施術計画は皮膚科専門医との相談を通じて決定されます。